労働組合ってなんだろう

労働組合のはじまり

今から170年ほど前にイギリスの労働者が酒場で仕事の疲れを癒すために酒を酌み交わすときに、会社から解雇された仲間をなぐさめあったところから、みんなでまとまり、労働組合の様なものがはじまったと言われています。

昔は賃金や労働時間・就労者の年齢など働く者の基準などはなく、当然のごとく強制労働・解雇などが行われていました。労働組合に対して市民権は与えられず、非合法の組織として「治安維持法」などにより厳しく弾圧された時代でした。

第二次世界大戦後に現在の日本国憲法が制定され、労働組合法も制定されることにより労働者の「団結」が認められるようになったことで労働組合が多く結成されますが、当初は経営側との衝突も多数ありました。春闘時には各地でストライキがおこなわれた時代でした。

しかし、時代が進み現代においては、会社と労働者が話し合うことが企業の経営を良くし利潤を確保するために得策であると考えるようになり、ストライキもほとんど行われていません。

労働組合の活動

労働組合法第2条「労働組合とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善、その他、経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体、またはその連合団体をいう」と定義づけをしています。

日常の仕事の中で建設的に「こうしたい」、または、労働条件を「こうしてほしい」と願っても、自分の思うとおりに事が運ぶものではありません。ましてや「賃金を上げてほしい・休日を増やしてほしい」などは、一人の力ではどうにもできません。

こうした問題を解決するためには「一人の力」から、「組織の力」として労働組合による話し合いを行うことが必要なのです。みんなが「自主的に集まり」「話し合って」会社に対する要望を決め、労働組合として会社と話し合うことを会社は拒否できません。労働組合とはみんなが意見を出し合い、助け合い、力を合わせることを活動の起点としています。

日本の労働組合の組織としくみ

日本の労働組合の多くは「企業別労働組合」で、企業ごとに組合があり、労働条件なども個別に交渉して決定します。

一方、アメリカなどに多く見られるのが「産業別労働組合」で、自動車や電機など特定の産業ごとに組織された組合のこと。日本では企業ごとの組合が集まって「産業別労働組合」を組織しています。

私たちの組合も、「全日本運輸産業労働組合連合会」に加盟し、同一産業の仲間とともに活動を行っています。

さらに日本には「日本労働組合総連合会(連合)」という組織があり、小さな集団では解決できない政治に対する問題などの解決にむけて活動を行っています。